2015年2月12日木曜日

ベンチャー就職リスク考

最近個人的にはよく後輩の指導をするようになりまして、その中には早い段階で辞めて独立する後輩もおります。有名大学卒業生の就職人気では、それなりに新興企業ももてはやされているようですが、ある程度エスタブリッシュな企業に就職するメリットはやはり捨てがたいな、と改めて思った次第。


「大企業からベンチャーはいつでもいけるけど、ベンチャーから大企業には行けない」とか「企業の新卒教育は馬鹿にできない」という典型的な理由もあるのですが、ちょうど独立して二社目の会社を立ち上げた友人の社長さんが言っていた一言が印象的。

「ベンチャーしか経験のない人たちは発想のスケールが小さい」

僕は人事系の仕事もやっているので、社員の報酬設計、キャリアパス構築、育成、後継計画 etc.と携わります。社長から新入社員まで見ていると、「ビジネスにおける視座」のようなものは、どういったキャリアを歩んできたかに強く影響を受けると思われるのです。

一般的な意味での「価値観」というのは大学を出ることには固まっているかとは思いますが、「職業倫理」「お金の儲け方」に関する思考方法はやっぱり就職後に後天的に身につくものだと思います。だからこそ、ある程度銀行の人は銀行っぽくなり、商社の人は商社っぽくなる。

ちょうど僕の周りは10年選手なのですが、同世代と話しているとそうしたモノの見方はだいぶ固まってきている。よく言えば安定感がある、悪く言えば柔軟性が失われるといったところ。

だから、キャリア初期にどういう職に就くかというのは、単純なキャリアパス設計ということ以上に、その人のビジネス的な思考回路、課題の設定のフレームやソリューションの発想等々に強く影響を与えるように思います。

ベンチャーだけで働いていると、金額的にも、世の中に与えるインパクト的にも、小規模な仕事がメインにならざるを得ない。そういう仕事しかしていないと、どうしても特定領域の小幅な改善提案しかできなくなる「リスク」があるというのは、大いにありそうなことだと思います。

もちろん全ての人がそうだというわけではないですし、大企業でも「ちっちぇえな」という人はごまんといるので、確率の問題なんですけどね。

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