2016年7月9日土曜日

大企業における「新規事業」について

ご無沙汰しております。なんとなく子供の洗濯物が乾く間に時間ができたので、昨晩ちょっと知り合いと話した内容についてメモです。

大企業で働いていると、30代に入って中核社員として実績と意欲を発揮してきた若手社員が「うちの会社はこのままではダメだ。新規事業をやりたい」と言ってくるケースは実に多いです。またそれを目的として転職するケースとかもままあります。

後者の転職してやりたいというのであれば「頑張れ、応援するよ」ということでしかないのですが、「うちの会社の強みを活かして新規事業をやりたい」とか言ってくる若手を見ると、「あぁ、またか」と個人的には残念な気分になります。

大企業を大企業たらしめているのは、かつて築いた強固なマネタイズモデルが存在するからです。多かれ少なかれ、インフラ産業的な側面があります。そこでの業務フローに習熟することと、ゼロから新しい事業を立ち上げることには、全く異なるスキルセットが要求されると言って良いと思います。

もちろん、今までのキャリアにとらわれずそうした新しいことにチャレンジすること事態は素晴らしいことですが、だとすれば、大会社のブランドやリソースをあてにせず、自分の力でやるべきだと私は思います。

私は30代後半になってきて「人には向き不向きってもんがあるだろう」と思います。そもそも大企業に何年も勤めて、それなりに高評価を得て、上手くやっていけるようなパーソナリティーの人間は向いてない。例えば、ローソン社長からサントリー社長に転じた新浪さんも、MC内では完全に浮いてたと聞いています。

「新規事業やりたい社員」は大半その後がどうなるかというと、辞めて自分でやるような胆力や行動力があるわけでもないので、数年後であってもやはり大企業の一社員でしかなく。とはいえ、主流派になれるわけでもなく、「うちの会社で新しいことはできない」という不満を抱いたままに。


ストレスが少ない会社人生を送るためには、ある年を過ぎたら、周囲の現実的な環境に合わせて自分のやりたいこと、あるいはやるべきこととキャリアをマッチングさせていくような能力も必要になってくるんだろうなぁ、と思う次第です。

もちろん、そうした人生を良しとするかは、個人次第ですが。


補足:
大企業で新しいことをやろうとすることが無駄だとか、必要ないとか申しているわけではございません。ベンチャー企業のように「個人が主役になる」ようなレベルの新規事業と大企業は相性が悪い、と考えています。
大企業の新規事業はある部署のスピンアウトやM&Aの方がしっくりくるでしょう。

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